【用途別】研究用ナノ秒レーザー選定完全ガイド
近年、「ナノ秒レーザー」は金属・ガラス・プラスチックなど様々な材料の微細加工から、研究機関での光学実験や分光分析まで幅広い場面で利用されています。パルス幅が短く、高いピーク出力と高速加工が可能なため、産業分野では生産効率の向上や、研究分野では正確な実験データの取得に貢献しています。
しかし、いざナノ秒レーザーを導入しようとすると、「どの波長・どの出力が適切なのか」「どの方式のレーザーが良いのか」など多岐にわたる悩みに直面します。本記事では、ナノ秒レーザーの基礎から選び方のポイント、さらには用途別の活用事例をご紹介します。
ナノ秒レーザーとは? その特徴と幅広い応用分野
レーザー光にはさまざまな発振方式・パルス幅がありますが、ナノ秒レーザーはその名の通り、パルス幅(光が放出される時間幅)が約1ナノ秒(10-9秒)の領域を指します。Qスイッチ技術などを用いて高ピークパワーを瞬間的に得られるため、熱影響を抑えながら、物質の精密な加工や、時間分解計測、分光分析など、多様な研究を可能にします。
ピコ秒レーザー(10-12秒)やフェムト秒レーザー(10-15秒)と比べると、パルス幅が長いため超高速な非線形現象の解析には向かないケースもありますが、高エネルギー、高安定性、波長可変といった特性により、特定の研究分野において不可欠な光源となっています。また、コストやメンテナンス性に優れる点も大きなメリットです。
このような特性から、ナノ秒レーザーは科学研究における分光分析、材料科学、そして環境計測など、幅広い分野で活用されています。
研究用途におけるナノ秒レーザー
主要な研究アプリケーション事例
ナノ秒レーザーは、その特性を活かして多岐にわたる研究分野で利用されています。
- 分光分析(LIBS/LIFなど): レーザーを試料に照射してプラズマを発生させ、発光スペクトルから元素を分析するLIBS(レーザー誘起ブレークダウン分光法)や、分子の蛍光を分析するLIF(レーザー誘起蛍光法)に活用されます。高パルスエネルギーと波長可変性が重要になります。
- 材料科学・アブレーション: レーザーアブレーションによる薄膜作製、ナノ粒子の生成、表面改質、レーザー誘起損傷閾値(LIDT)評価など、様々な材料研究に利用されます。パルスエネルギーとパルス幅が加工精度や生成物の特性に影響を与えます。
- 環境計測・リモートセンシング: 大気中の汚染物質や水中の微粒子を検出するリモートセンシング(LIDARなど)に利用されます。高エネルギー、特定の波長、そして高いビーム安定性が求められます。
- バイオメディカル: 細胞の操作、バイオイメージング、光線力学療法(PDT)など、生命科学分野の実験に活用されます。生体組織への影響を考慮し、適切な波長とパルスエネルギーが重要になります。
- PIV(粒子画像流速測定法): 流れの中に粒子を混ぜ、レーザー光をシート状に照射して粒子を撮影することで、流体の速度場を解析します。高出力かつ短いパルス幅、そして高い繰り返し周波数を持つデュアルヘッドレーザーが理想的です。
- 非線形光学・基礎物理: 非線形光学現象の励起、原子冷却、プラズマ生成の研究など、基礎物理学の実験に用いられます。高ピークパワー、特定の波長、そして優れたビーム品質が不可欠です。
各研究で求められるレーザー特性
上記研究用途において、最適なナノ秒レーザーを選定するためには、それぞれの実験で求められるレーザーの特性を理解することが重要です。
- 分光分析(LIBS/LIF): 励起波長、パルスエネルギー、繰り返し周波数、波長可変性が重要になります。検出器との同期性も考慮が必要です。
- 材料科学・アブレーション: パルスエネルギー、パルス幅、ビーム品質が加工精度や生成物の特性に影響します。高エネルギー密度のレーザーが求められることが多くあります。
- PIV(粒子画像流速測定法): 短いパルス幅と高エネルギー、そして高い繰り返し周波数を持つデュアルヘッドレーザーシステムが適しています。
- イメージング: 波長、繰り返し周波数、ビーム安定性が画像の品質に影響します。顕微鏡との接続性も考慮する必要があります。
- 非線形光学: 高ピークパワーと特定の波長が必要とされます。ビーム品質の高さも重要です。
このように、研究目的によって最適な波長、出力、パルス幅、繰り返し周波数などの範囲は大きく異なります。また、正確な実験データを得るためには、レーザーの安定性や外部機器との同期性も非常に重要な要素となります。
レイチャーシステムズのナノ秒レーザー製品
弊社レイチャーシステムズでは、多様な研究用途に対応するため、幅広いラインナップのナノ秒レーザー製品を取り扱っております。
製品ラインナップと主要スペック
LD励起固体レーザー
- DCシリーズ: コンパクトで完全空冷式のDPSSレーザーシステムです。共振器内設計により高い波長変換効率と長い結晶寿命を実現しています。波長は527nmと351nm、最大出力は3Wです。
- DX-ACシリーズ: こちらもコンパクトな完全空冷式DPSSレーザーシステムで、共振器内設計を採用しています。波長は532nmと355nm、最大出力は20Wです。
- DXシリーズ: 高出力でありながらコンパクトなDPSSレーザーシステムです。波長は532nm(最大80W)と355nm(最大50W)をご用意しています。
- DPシリーズ: コンパクトながら高パルスエネルギーを実現したDPSSレーザーシステムです。短いパルス幅(<10ns)を持ち、1030nmで最大50mJのパルスエネルギーを出力します。多様な波長(1064nm、1053nm、1030nm、532nm、527nm、515nm、355nm、351nm、343nm、266nm、263nm、257nm)と繰り返し周波数(100Hz、1kHz)のオプションがあります。
- DX-YLFシリーズ: LD励起の固体パルスレーザーで、波長は527nm(緑色)、高パルスエネルギー(1kHzで最大35mJ)、そして高いビーム品質(M2 < 1.2)を特長としています。
- DMシリーズ: Photonics Industries International社のレーザーの中で最も高いパルスエネルギーを発振するように設計されたナノ秒DPSSレーザーシステムです。Nd:YAGとNd:YLFの媒質があり、527nmで最大100mJ(1kHz)のモデルや、最大50kHzの繰り返し周波数を持つモデルがあります。
- DM Dual Headシリーズ: 高パルスエネルギー/高出力のDMレーザーシステムを2つ組み合わせたデュアルヘッドレーザーシステムです。527nmで最大200mJ、10kHzで最大400Wを実現します。各レーザーヘッドは独立して制御可能です。
- SNシリーズ: ナノ秒よりも短いパルス幅(200ps~5ns)で、高い出力/パルスエネルギーを実現するために開発されたサブナノ秒レーザーシステムです。最大250W/5mJのモデルがあります。
- 一体型チューナブルレーザー: 自社製のDPSSレーザーを励起光源として使用しています。OPOレーザーはmJクラスの高パルスエネルギー、Ti:sapphireレーザーは高繰り返し周波数と狭線幅(1-3GHz)を特長とし、波長可変です。
- Nano DPSSシリーズ: 超コンパクトなLD励起固体(DPSS)レーザーシステムで、最大130mJのパルスエネルギーと最大300Hzの繰り返し周波数を提供します。優れたパルス間安定性、ビームポインティング安定性、そして幅広い波長(1064nm、532nm、355nm、266nm、213nm)を特長としています。
- TRLi DPSSシリーズ: コンパクトなLD励起固体(DPSS)レーザーシステムで、最大360mJのパルスエネルギーと最大300Hzの繰り返し周波数を提供します。波長は1064nm、532nm、355nm、266nmです。
- Plasmaシリーズ: LD励起の高パルスエネルギーレーザーシステムです。最大パルスエネルギーは1J、最大繰り返し周波数は200Hz、パルス間安定性は0.2% RMSです。波長は1064nm、532nm、355nm、266nmをご用意しており、ガウシアン共振器を搭載しています。
- LD PIVシリーズ: LD励起Nd:YLFを採用したデュアルヘッドレーザーシステムです。シングルショットから20kHzまで最大30mJのパルスエネルギーを提供し、高速PIVや励起光源として最適です。波長は527nmです。
- Plasma PIV: LD励起の高パルスエネルギーデュアルヘッドレーザーシステムで、PIVアプリケーション向けです。優れたビームプロファイル(M2 < 10)を持ち、レーザー光の成形が容易です。波長は532nm、最大パルスエネルギーは75mJです。
フラッシュランプ励起固体レーザー
- Nanoシリーズ: コンパクトなフラッシュランプ励起Nd:YAGレーザーシステムです。1064nmで130mJ~340mJのパルスエネルギー、最大100Hzの繰り返し周波数、そして1064nm、532nm、355nm、266nm、213nmの波長を提供します。
- TRLiシリーズ: 小型パルスYAGレーザーで、最大パルスエネルギーは850mJ、波長は1064nm、532nm、355nm、266nm、213nmです。ガウシアン共振器を搭載しています。
- 1.57μmシリーズ: 眼に安全な波長1.57μmの固定波長OPO(Optical Parametric Oscillator)レーザーシステムです。LD励起モデルは、レーザー共振器とOPOの間の恒久的なアライメントを保証します。最大パルスエネルギーは90mJ、最大繰り返し周波数は200Hz、波長範囲は1.57μmです。
- Plasmaシリーズ: LD励起の高パルスエネルギーレーザーシステムです。最大パルスエネルギーは1J、最大繰り返し周波数は200Hz、パルス間安定性は0.2% RMSです。波長は1064nm、532nm、355nm、266nmをご用意しており、ガウシアン共振器を搭載しています。
- LPYシリーズ: フラッシュランプ励起Nd:YAGレーザーシステムで、最大10Jという非常に高いパルスエネルギーを誇ります。波長は1064nm、532nm、355nm、266nm、213nm、最大繰り返し周波数は200Hz、ガウシアン共振器を搭載しています。
- LPY7000シリーズ: こちらもフラッシュランプ励起Nd:YAGレーザーシステムで、最大3.5Jの非常に高いパルスエネルギーを提供します。波長は1064nm、532nm、355nm、266nm、213nmで、ガウシアン共振器を搭載しています。
- LPY 10Jシリーズ: フラッシュランプ励起Nd:YAGレーザーシステムで、最大10Jの超高パルスエネルギーを実現します。波長は1064nm、532nm、355nm、266nmで、ガウシアン共振器を搭載しています。
- Nano S/L/T PIVシリーズ: 2つのNanoレーザーシステム共振器を1つのレーザーヘッドに収めたデュアルヘッドレーザーシステムです。波長は532nm、最大パルスエネルギーは200mJ、最大繰り返し周波数は100Hzで、PIVアプリケーション向けに設計されています。
- TRL PIVシリーズ: 中規模のデュアルヘッドレーザーシステムで、PIVアプリケーション向けです。波長は532nm、355nm、266nm、最大パルスエネルギーは425mJ、最大繰り返し周波数は20Hzです。
- Bernoulli PIVシリーズ: コンパクトで防塵、防振、防水性能を持つパルスYAGレーザーシステムで、様々な環境でのPIVアプリケーションでの使用を想定しています。波長は532nm、最大パルスエネルギーは200mJで、高い耐久性を誇ります。
- Bernoulli LIBSシリーズ: コンパクト、防塵、防水、防振、高耐久性のダブルパルスLIBSレーザーシステムです。波長は1064nm、最大パルスエネルギーは250mJです。
- LPY PIVシリーズ: 2つのLPYレーザーシステム共振器を1つのレーザーヘッドに収めたデュアルヘッドレーザーシステムで、PIVアプリケーション向けです。532nmで最大425mJのパルスエネルギーと最大200Hzの繰り返し周波数を提供します。波長は532nm、355nm、266nmです。
- Aurora II Integra OPO: フラッシュランプ励起Nd:YAGレーザーを励起光として用いた、波長可変の高パルスエネルギーOPOレーザーシステムです。波長範囲は205nm~2.3μm、最大エネルギーは65mJです。
- Aurora Ⅱ 532 OPO: TRLiレーザーを励起光源として使用し、タイプII BBO OPO共振器を組み合わせた高パルスエネルギーOPOレーザーシステムです。840nmで最大110mJのエネルギーを提供します。
研究用途への適合性
上記の製品ラインナップは、それぞれの特性に応じて、様々な研究用途に適用できます。例えば、高エネルギーが必要なレーザーアブレーションやプラズマ研究には、フラッシュランプ励起のLPYシリーズやPlasmaシリーズが有効です。一方、分光分析やリモートセンシングには、波長可変が可能な一体型チューナブルレーザーやAuroraシリーズが適しています。PIV計測には、専用に設計されたPIVシリーズが最適です。
具体的なアプリケーションと推奨製品の対応については、以下の表をご参照ください。
製品シリーズ名 | 主な波長 (nm) | 代表的な出力/パルスエネルギー | 代表的なパルス幅 (ns) | 代表的な繰り返し周波数 (Hz) | 推奨の産業用途 | 推奨の研究用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
DCシリーズ | 527, 351 | 最大3W | ~250µJ-~1mJ | 最大10kHz | 微細加工、マーキング | 分光、イメージング |
DX-ACシリーズ | 532, 355 | 最大20W | ~10-~15ns | 最大300kHz | 微細加工、マーキング | 分光、イメージング |
DXシリーズ | 532, 355 | 最大80W (532), 最大50W (355) | ~10ns @ 50kHz,
~14-20ns@100kHz (532), ~12ns@50kHz(355) |
最大500 kHz(Option up to 1MHz)(532),
最大300 kHz(Option up to >500kHz)(355) |
高速切断、微細加工 | 分光、材料科学 |
DPシリーズ | 1064, 532, 355, etc. | 最大50mJ (1030nm) | ~6-10 ns | 100Hz,
1kHz(kモデル) |
微細加工、マーキング | 材料科学、LIBS |
DX-YLFシリーズ | 527 | 最大35mJ (1kHz) | ~90ns-~100ns@1 kHz | 最大10kHz | 高精度微細加工 | 分光、イメージング |
DMシリーズ | 527, 351 | 最大100mJ (527nm, 1kHz) | ~100ns-~180ns@1kHz(527)
30~50+/-10ns@1kHz(351) |
最大10 kHz(option to run up to 15kHz) | 高パルスエネルギー加工 | LIBS、レーザーアブレーション |
DM Dual Headシリーズ | 527 | 最大200mJ (527nm), 最大300W (10kHz) | ~100ns-~180ns@1kHz | 最大10 kHz(option to run up to 15kHz) | 高スループット加工 | LIBS、レーザーアブレーション |
SNシリーズ | 各種 | 最大250W/5mJ | 200ps – 5ns(IR)
500ps to 5ns(GRN,UV) |
最大2MHz | 高速微細加工 | 超高速分光 |
一体型チューナブルレーザー | 205-2300 | mJクラス | 6 to 10ns(DP-OPO),
10-15ns(DS-OPO), 10 to 15ns(DC-OPO) |
最大10kHz(TU),
1-100Hz(DP-OPO), range depending on gain medium (1-5kHz, 4-10kHz, 10-20kHz)(DS,DC-OPO) |
特殊加工 | 波長可変分光、リモートセンシング |
Nano DPSSシリーズ | 1064, 532, 355, etc. | 最大130mJ | <12ns@1064nm | 最大300Hz | コンパクトな加工システム | 研究開発 |
TRLi DPSSシリーズ | 1064, 532, 355, 266 | 最大360mJ | 8-12ns@1064nm | 最大300Hz | コンパクトな高エネルギーシステム | 研究開発 |
Plasmaシリーズ | 1064, 532, 355, 266 | 最大1J | <14ns@1064nm | 最大200Hz | 高エネルギー加工 | レーザーアブレーション |
LD PIVシリーズ | 527 | 最大30mJ | <210ns@1kH | 最大20kHz | 高速PIV計測 | 高速流体解析 |
Plasma PIV | 532 | 最大75mJ | 7-11ns | 最大200Hz | 高品質ビームPIV計測 | 精密流体解析 |
Aurora II Integra OPO | 205-2300 | 最大65mJ | 4-7ns@ | 最大20kHz | 波長可変加工 | 波長可変分光、リモートセンシング |
Aurora Ⅱ 532 OPO | 205-2300 | 最大110mJ (840nm) | 4-7ns@ | 最大200Hz | 波長可変加工 | 波長可変分光、リモートセンシング |
ナノ秒レーザー選び方のポイント
最適なナノ秒レーザーを選ぶためには、以下の主要な要素を慎重に考慮する必要があります。
研究目的
まず、ナノ秒レーザーをどのような目的で使用するのかを明確にすることが最も重要なステップです。用途が異なれば、必要となるレーザーの特性も大きく変わってきます。例えば、非線形光学現象を研究するのか、それともLIBSを用いて元素分析を行うのかによって、最適なレーザーの出力や波長は全く異なります。
波長と波長可変性
研究対象となる物質の吸収特性に合わせて、適切な波長を選択することが重要です。ナノ秒レーザーでは、紫外(UV)、可視光、赤外(IR)など、様々な波長のレーザーが利用可能です。また、多岐にわたる研究テーマに対応するためには、波長を連続的に変更できる波長可変レーザー(OPO)が非常に有効です。
パルス幅とパルスエネルギー
パルス幅は、時間分解能や非線形光学効果の効率に影響を与えます。ナノ秒レーザーの場合、パルス幅は数ナノ秒から数百ナノ秒の範囲で選択できます。一方、パルスエネルギーは、材料の励起やアブレーション、プラズマ生成に必要なエネルギー密度を決定する重要なパラメータです。
繰り返し周波数と安定性
繰り返し周波数は、データ取得速度や信号対雑音比(S/N比)に影響します。高い繰り返し周波数では、高速なデータ取得が可能になります。また、正確な実験データを得るためには、レーザーの出力や波長の安定性が不可欠です。パルス間安定性が高いレーザーは、信頼性の高い計測に貢献します。
ビーム品質
ビーム品質は、レーザー光の集光性を示す指標であり、実験の空間分解能や光の局在性に直接影響します。特に、微小な領域でのアブレーションやイメージング、非線形光学実験などでは、高いビーム品質が求められます。
冷却方式と設置環境
レーザー発振器の冷却方式には、空冷、水冷などがあります 。空冷方式は、比較的低出力のレーザーに用いられ、設置が容易であるというメリットがあります。一方、高出力のレーザーでは、効率的な冷却のために水冷方式が採用されることが一般的です。設置スペースや実験環境に合わせて選択が必要です。
外部トリガー・同期性
他の実験機器(検出器、カメラ、分光器など)とレーザーの発振タイミングを同期させる必要がある場合に重要な機能です。精密な時間制御が必要な実験では、低ジッターの外部トリガー機能を備えたレーザーが求められます。
メンテナンス性とサポート体制
レーザーシステムを長期間安定して使用するためには、メンテナンス性も重要な要素です 。定期的なメンテナンスの必要性や、万一のトラブル時に迅速なサポートが受けられるかは、研究の継続性に関わる大切な要素です。国内にサポート拠点がある、アプリケーション相談が受けられるといった点も選定の大きな決め手になります。
選定要素 | 研究用途における推奨範囲/考慮事項 | 当社取扱製品のポイント |
---|---|---|
研究目的 | 分光、LIBS、材料科学、イメージングなど、具体的な実験内容や目的を明確にする | 各製品シリーズが様々な用途に対応 |
波長・波長可変性 | 実験対象や分光法に合わせて適切な波長を選択、波長可変モデルも検討 | 多様な波長の製品、波長可変モデルも提供 |
パルス幅 | 現象のタイムスケールに合わせて適切なパルス幅を選択(例:超高速現象にはサブナノ秒) | ナノ秒領域で様々なパルス幅の製品を提供 |
パルスエネルギー・出力 | 実験内容に応じて低出力~高出力を選択、波長やパルス幅によっても異なる | 幅広い出力範囲の製品を提供 |
繰り返し周波数 | 高速データ取得には高繰り返し、特定の現象捕捉には低繰り返しを検討 | 幅広い繰り返し周波数の製品を提供 |
安定性(出力・波長) | 正確な実験データを得るために、高い安定性を持つ製品を選択 | 高い安定性を実現した製品を提供 |
ビーム品質 | 高いエネルギー密度が必要な実験には高いビーム品質が重要 | 高いビーム品質を実現した製品を提供 |
外部トリガー・同期 | 他の計測機器との同期が必要な場合はトリガー機能を確認 | 外部トリガー対応の製品を提供 |
冷却方式 | 実験環境やレーザー出力に応じて適切な冷却方式を選択 | 空冷および水冷方式の製品を提供 |
メンテナンス性・サポート | 長期的な実験に対応できるメンテナンス性と充実したサポートを確認 | メンテナンス性に優れた製品設計と国内技術サポート |
レイチャーシステムズが提供するソリューション
ナノ秒レーザーは研究用途においても、実験の効率化や最先端のデータ取得に大きく貢献する技術です。一方で、製品ラインナップが幅広く、波長・出力・繰返し周波数など選定の切り口が多いため、初めて導入する研究者は迷いがちです。本記事でご紹介した選定ポイントや主要な用途事例を踏まえ、ぜひ最適なモデルをお選びください。
レイチャーシステムズの強みは、海外メーカー製品も含め、国内技術サポートを一括して提供できる点にあります。導入前の試験照射や用途相談はもちろん、導入後のアフターメンテナンスや部品交換にも対応。メーカーとの橋渡しもスムーズに行えるため、お客様の実験ダウンタイムを最小限に抑えます。
もし、どのナノ秒レーザーが最適か分からない場合は、当社エンジニアがお客様の研究内容や実験環境に合わせてベストな機種選定をサポートします。「LIBS実験で高エネルギーのパルスが必要」「波長可変で様々な分子の吸収を調べたい」など、具体的なご要望があればぜひ下記お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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