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ラマン分光

ラマン分光とは、レーザー光を物質に照射して、発生したラマン散乱光を分光器、もしくは干渉計で検出することでラマンスペクトルを得て、物質の分子構造や結晶構造などを知ることができる手法です。

光が物質に入射して分子と衝突すると、その一部には散乱と呼ばれる現象が起きます。この散乱光の波長を調べると、大部分の成分は入射光と同じ波長(レイリー散乱光)ですが、極わずかな成分には入射光と異なった波長の光(ラマン散乱光)が含まれています。

チャンドラセカール・ラマン(1888-1970、インド)は、この入射光と異なった波長をもつ光の振動数が、分子の固有振動数になっていることを発見し、「ラマン効果」と名付け、1930年にノーベル物理学賞を受賞しました。この研究によって、様々な物質についての研究調査ができるようになりました。

ラマン分光の用途

  • 物質の同定、判別
  • 物質または成分の分布の調査(医薬品錠剤など)
  • 粒子のサイズの調査
  • 物質または化学種の相対量の調査

測定可能なもの

無機化合物、有機物、固体、液体、気体、粉末、液中、フィルム、ガラス越しなど
私たちの身の回りにあるほとんどのものを、特別な前処理なしで測定できます。

ラマン分光の特徴

赤外吸収分光装置とはよく似ているのですが、赤外吸収は、透過光のうち分子振動により吸収された振動数の光を調べることで、分子振動数すなわち分子と振動の種類を把握します。一方、ラマン散乱は入射光と散乱光の振動数の差から分子の情報を得ます。

ラマン分光ではガラス越しや水溶液中での観察や、微小領域の分析が可能という利点があります。

ラマン分光時のグラフ

ラマン分光におすすめのレーザー

弊社の取り扱う英国Novanta(Laser Quantum)社のレーザーシステムは、このラマン分光用の光源として世界中で数多くの納入実績があります 。
波長は671nm、660nm、640nm、561nm、532nmからご選択、また様々なご要求仕様にマッチする低価格モデル、高安定性モデル、高出力モデル、狭線幅/単一周波数(SLM)モデルをラインナップしています。


gemシリーズ

  • 小型/低価格モデル(532nm:100mW~2W)
  • 波長バリエーション:671nm、660nm、640nm、561nm、532nm

gemシリーズはコンパクト電源を用いた、装置組み込みに最適な低価格CW(連続)発振DPSSレーザーシステムです。
非常に小型なレーザーヘッドデザインでありながら低ノイズ、そして高品質なビームで、ファイバー伝送オプション(マルチモードファイバー/シングルモードファイバー対応)もございます。

 


ventusシリーズ 

  • 小型/高安定性モデル(532nm:100mW~2W)
  • 波長バリエーション:671nm、660nm、561nm、532nm、532nm狭線幅
  • Novanta社記事:ラマン分光のためのventus532
    (日本語要約)
    ventus 532は、ラマン分光法の応用に特化したレーザーであり、高い性能を提供します。
    M2が1に近い特性により、より狭い焦点を実現し、高い光強度を生成することができます。ラマン分光法は光散乱が弱いプロセスであるため、信号を増強するためには高い光強度が必要です。また、狭い焦点は空間分解能に影響を与え、微小領域のサンプルを観察する際に必要です。

    ventusは、優れたノイズ仕様(<0.15% RMS)を持ち、ラマンスペクトルの安定した結果を提供します。
    ラマン分光法では複数のスペクトルを取得して平均化することが一般的であり、この際にノイズが最終スペクトルに影響を及ぼすことがありますが、ventusの低ノイズ設計により、このリスクが軽減されます。
    さらに、ventusは顕微鏡と結合する柔軟性を持っており、研究室内での配置が容易です。また、波長532 nmのレーザー光は高い精度(±1 nm以内)を持ち、セットアップに適したフィルターを選びやすくなります。

    ラマン分光法は、サンプルのスキャンにおいてポイントラマンとラインラマンの2つの技術を活用します。ポイントラマンは単一の焦点またはラインにレーザービームを当てる技術で、ラインラマンはスループットを向上させる代わりに高いレーザー出力が必要です。どちらの技術もインラインアプリケーションに適用できます。
    ラマン分光法はスペクトル帯域、出力安定性、波長安定性に依存するため、これらの要素を最適な仕様で満たすことが重要です。

 


opusシリーズ

  • 中高出力モデル(532nm:2W~6W)
  • 波長バリエーション:1064nm、660nm、532nm

opusレーザーシリーズは同社が特許を取得している共振器デザインにより、高い平均出力、出力安定性と光ノイズを持ちながら優れたコストパフォーマンスを実現した同社製品の中でも最も人気のあるモデルの一つです。

 


axiomシリーズ

  • 高出力モデル(532nm:5W~12W)
  • 波長バリエーション:532nm、660nm

axiomレーザーシステムは660nm(Red)としては業界最高出力である6W、532nm(Green)では最大12W発振を可能とする高出力・高性能DPSS・CW(連続発振)レーザーシステムです。
axiomレーザーシステムは新しい共振器設計により、高出力レーザーでありながら全てのオプティクスをレーザーヘッド内に組み込んでいます。その為、従来のレーザーシステムで必須だったレーザーヘッドとレーザー電源間に光ファイバーの伝送ケーブルを必要とせず、レーザーヘッドとレーザー電源間の接続をすべて脱着可能になっています。そのため、高出力レーザーながら、装置などへの設置、組込み、移設作業を容易に行うことが可能です。

 


torusシリーズ

  • 単一周波数モデル(532nm:250mW~750mW)
  • 波長バリエーション:532nm、660nm
  • 単一周波数(バンド幅1MHz)

torusレーザーシステムは電子制御によりモードホップが起こらないよう設計され、市場にある単一周波数レーザーでは唯一単一周波数モードをロックする機能を有しているため、モードホップはもちろん波長ドリフトを抑えた安定した波長を発振することが可能です。
発振波長の安定性は0.2pm以下と非常に安定しています。また、発振中レーザーヘッド温度を19℃~40℃まで変化させた状態でも2pm以下の波長安定性があります。

 


 

レーザー詳細仕様のご説明、お客様のご用途/ニーズにあわせてレーザーシステムのご提案を致しますので、お電話(03-3351-0717)もしくはお問合せフォームよりお気軽にお問合せください。

条件に一致する製品は6件あります

Photonics Industries International

一体型チューナブルレーザー

OPO及びチタンサファイアレーザー

自社製DPSSレーザーを励起光源として使用したOPOレーザーやTi:サファイアレーザーシステムです。OPOレーザーは高パルスエネルギーレーザーを励起光源としてmJクラスの高パルスエネルギーを発振することが最大の特徴です。Ti:サファイアレーザーは高繰返し、狭線幅(1-3GHz)が特徴の波長可変レーザーシステムです。

波長 波長可変 カテゴリーナノ秒レーザー
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