APPLICATION

【ペロブスカイト太陽電池加工×レーザー】高精度・高品質な加工技術のご紹介

ペロブスカイト太陽電池（PSC）は、ガラス/フィルム基材、透明導電膜（ITO/AZO等）、電子輸送層（SnO₂等）、ペロブスカイト吸収層、正孔輸送層（PTAA・Spiro-OMeTAD等）、上部電極（Ag/Au/カーボン等）からなる多層構造です。製造コストを抑えられることや、弱い光を電力へ変換できることなどから、太陽光発電をさらに普及させる次世代の太陽電池として注目されています。
層ごとに光学・熱物性が大きく異なるため、非接触かつ層選択的な加工が可能なレーザーが広く用いられています。本ページでは、ペロブスカイト太陽電池のレーザー加工の優位性、適したレーザー発振器の選定ポイント、推奨ラインナップと当社独自のサポート体制をご紹介します。

ペロブスカイト太陽電池（PSC）加工におけるレーザーの優位性

非接触加工で基材へのストレスを最小化

機械的接触がないため、薄膜や脆性材料（ガラス・ITO等）への応力を抑制。微細なセル分割（スクライブ）や膜除去でもワーク変形を抑えます。

微細パターン形成・デッドエリアの低減

高品質なビームと短パルスによって、P1/P2/P3のスクライブ線幅を微小化。セル間の“デッドエリア”を縮小し、モジュール効率の向上に寄与します。

層選択的アブレーション（選択加工）

UV/Greenなど適切な波長とパルス条件を選ぶことで、TCOのみ、あるいは有機無機ハイブリッド層のみを選択的に除去。下地への熱影響を抑えたクリアな断面品質を実現します。

クリーンで環境に配慮した工程

レーザースクリービングは接触不要かつ消耗部品が少なく、化学エッチングのような廃液も発生しません。環境配慮、安全性、工程効率の観点で優れた工法といえます。

推奨レーザーと特長

ピコ秒UVレーザー（波長355nm）

紫外域で多層薄膜に高い吸収性。短パルスにより熱影響を最小化し、クラックレスな微細スクライブや膜除去に適します。ガラス/フレキシブル基材の両方で安定した加工品質を実現します。

ピコ秒グリーンレーザー（波長532nm）

TCOや酸化物系膜・一部有機層に良好な吸収。高繰返し×高ビーム品質で、選択的なライン形成・薄膜除去に最適。膜質を損なわない低ダメージ加工が可能です。※ スループット重視や膜系により、ナノ秒UV/Greenの適用も選択肢となります。評価にて最適波長・パルス幅をご提案します。

詳しい仕様・スペックにつきましては、下記製品ページをご覧ください。

ピコ秒レーザー製品ページへ
UVレーザー製品ページへ
グリーンレーザー製品ページへ

ペロブスカイト太陽電池加工におすすめのレーザー

米国Photonics Industries 社は、イントラキャビティ高調波固体レーザーの先駆者として、高出力・高調波のレーザーシステムとアプリケーションの開発に取り組むメーカーです。加工用途で多数の導入実績を誇る「ピコ秒レーザーRXシリーズ」「ナノ秒レーザーDXシリーズ」をラインナップしています。

RXシリーズ　

レーザーヘッドとレーザー電源を一体型にしたオールインワン構造により、同クラスのピコ秒レーザの中では最小・最軽量を誇り、様々な加工機・生産ラインでの導入実績があります。

高いパルスエネルギー（最大>900 µJ）×高繰返し（～2 MHz）で生産性と加工品質を両立しています。ビームを分割して複数のワークステーションに同時に供給することができるため、最高の生産性とコストパフォーマンスを実現します。24時間/365日運転に使用可能な安定性を持ち、様々な微細加工生産ラインで使用される装置組み込み用レーザーに最適です。

ラインナップも多く各波長空冷タイプのRX-ACシリーズもご用意があります。